よくぞここまでお越しになったね。
散歩中のワンちゃん達のお楽しみ…?
よ〜く匂いを嗅いでパクっ!
いや〜め〜て!
そんなことありませんか?散歩中に何か食べたかも…不安でしかない。
それならばまだいい。飼い主さんがわかってるから。
私たちが胃や腸の中から取り出した異物のうち8割の飼い主さんは何か食べたのか食べてないのかわかっていません。なんか吐いたり、下痢したり調子悪そうと言うことで来院しています。
また、そのほとんどが2歳以下。
最近7歳以上の子も食べてしまう例を見ますが…
飼い主さんがわんちゃんが何をどのように食べてしまったかわかっていれば私たちもおおよその予測と対応が可能です。吐かせるのか、手術をするのか、そのまま様子を見ていくのか。お腹の中に無いかもあるかもわからない中での診断はいつも苦労します。
それは無いと思って診ることは基本的に無いわけでそう言う診察はほとんどありません。従ってあると思って診察をすることになります。レントゲンや超音波、血液検査や造影など様々な検査を駆使してどこに何かあるのかを探す
あてのない果てしない旅の出発。
何も症状もなく、検査上の異状が見つからなければ、体調を確認しながら飼い主さんと共に様子を見ていくことになります。費用負担もありますからその辺は20年の経験が役に立つこともあります。(経験が邪魔をする場合もあるかも)
今年は年末年始から本当にたくさんの異物誤飲のワンちゃんが来ています。
拾い食いをしないトレーニングをすること。(榎森ドックトレーナーがいます!)
お家の床には口にしてしまうようなものを置かないこと
いろいろな食べものを与えてしまわないこと
目の前で異物を食べてしまったら、
食べたものと量、日時を把握しておく。
不安ならばすぐにどうぶつ病院で確認してください。
電話で相談を受ける場合がありますが「大丈夫ですか?」と言われても状況が全く把握できませんのでご自身の判断での対応となります。
そして今日はお尻に長さ6cmもの縫い針が刺さって来院した子が来院しました。
糸に絡まってウンチをした時に肛門に突き刺さったようです。
散歩して、食べてしまい、飼い主さんにもわからずに飲み込み、食道を通って胃のなかへ。それから小腸を通って大腸へ長い旅路を経てようやく肛門。
「なぜそこまで来たのに最終関門の肛門に突き刺さったんだ?!」
そんな気もしたのだが、この長い縫い針が長い旅の果てにこの見える肛門まで出てきてくれた事がなぜか本当に嬉しかった。当然わんちゃんは痛そうだったけど、きっとそれを出してしまう前に飼い主さんに言っておきたかったに違いない。
お腹の中で刺さらなくてよかった嬉しさと6cmの針が肛門まで無事で流れてくるんだと言うどうぶつの体の不思議
世の中にはまだまだ信じられないことはいっぱいです。獣医をしてるといつも感じますよ。本当にいろんな事がある。
そんな桜散る春の夕暮れどきでした。