【第一回】春、新しい季節に思うこと:最終決定は自分でする
春の訪れを感じる季節となりました。
新しい機会や出会い、そして旅立ちが待っているこの時期、皆さんはどんな思いを抱いているでしょうか。
群馬では東京へ行くと言っても、すぐに帰れる距離。けれど、私が高校まで過ごした北海道・札幌から神奈川の獣医大学へ進学したときは、まさに一大決心でした。
寝台特急『北斗星』に乗り、友人たちに見送られたあの瞬間を今でも鮮明に覚えています。昭和の時代ならではの情景がそこにはありました。懐かしい思い出ですが、当時の私にとっては大きな挑戦でした。
さて、皆さんは犬や猫を飼うとき、どのくらいの決心をしましたか?
「子供が欲しいと言ったから」「頼まれて仕方なく飼い始めた」など、さまざまな理由があるでしょう。
しかし、どんな理由であれ、いつしかその子は家族となり、かけがえのない存在へと変わっていきます。最初は他人事のように世話をしていたのに、今ではその子が愛おしくて仕方がない。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
そして、その子が歳をとり、病気になったとき。
その時のことを、皆さんは想像したことがありますか?
楽しい未来を描いていた日々の先に、やがて訪れる「死」や「別れ」。その現実を前にしたとき、あなたはどう向き合うのでしょうか。
人間であれ、犬であれ、猫であれ、必ず訪れる「死」と「別れ」。
その時が来るまでの時間をどう過ごすかは、飼い主であるあなた自身が決めることです。
私が動物病院でお伝えしたいのは、この「時間の共有」をどう過ごすか、そしてその選択を「自分で決める」ことの大切さです。
次回は、この「最終決定を自分でする」というテーマについて、さらに深く掘り下げていきます。後悔しない選択をするために、私たち獣医師がどのようにサポートできるのか。そして、飼い主としてどのように向き合うべきかをお話しします。